インドネシア公共事業省、エルニーニョ対策で290人と重機58台を配備
【ジャカルタ】 インドネシア公共事業省は、2026年のエルニーニョ現象による干ばつの影響に備え、西ジャワ州で職員290人と重機など58台を配備した。
今回の措置は、乾季における農業用水、飲料水供給、ならびに水資源インフラの安定した運用を確保することを目的としている。
ドディ・ハンゴド公共事業相は、省内の各組織間の連携を強化するため、「エルニーニョ対策タスクフォース」を設置したと明らかにした。
同相は、エルニーニョの影響は農業分野にとどまらず、上水道供給システム(SPAM)やダムの運用にも及ぶ可能性があると指摘した。
「エルニーニョへの対応としてタスクフォースを設置した。影響を受けるのは灌漑施設や干上がる水田だけではなく、一部地域では上水道システムやダムも水不足に直面する可能性がある」と同相は7月6日に発表した声明で述べた。
対策の一環として、チマヌク・チサンガルン河川流域管理局(BBWS Cimanuk Cisanggarung) は、「洪水・干ばつ対策インフラ管理ユニット(UP3BK)」を通じて監視体制を強化した。
このシステムでは、ダムや堰、干ばつリスク地域の監視、水運用の調整、コールセンター、迅速対応チーム(TRC)、関係機関との連携を一体的に運用し、水供給への影響に迅速に対応できる体制を整えている。
乾季の期間中は290人の職員が待機し、水資源インフラの円滑な運用を維持する。
監視対象は、9つのダム、33カ所のため池、23の湖沼、25カ所の取水堰、さらに管内の灌漑施設に及ぶ。
2026年6月30日時点で、ジャティゲデ、チパナス、ダルマ、クニンガン、マラハユ、セトゥパトック、セドン、ボラン、ランチャブウルムの9ダムの総貯水量は約11億立方メートルとなっている。
同省によると、この貯水量は乾季を通じて約13万6,254ヘクタールの農地への灌漑用水を賄うのに十分な水準としている。
放流は貯水状況と現場での需要を踏まえ、適切に管理される。
農業用水や生活用水の確保に加え、水力発電所(PLTA)の運転を維持するとともに、乾季中の水資源を確保することが目的だ。
ダムの水位、貯水量、放流量は毎日監視され、運用判断の基礎データとして活用されている。
公共事業省はまた、灌漑施設の整備も進めている。
2025年度には、主要灌漑施設の改修を69カ所で実施したほか、「灌漑用水利用改善加速プログラム(P3TGAI)」による末端水路の整備を441カ所で実施した。
さらに、大統領指示による灌漑開発事業を69カ所で進めるとともに、地下水を利用した灌漑施設(JIAT)を45カ所で整備した。
気候変動への適応策として、BBWSチマヌク・チサンガルンは「節水型水稲灌漑(IPHA)」の導入も推進している。
この方式では、水田への給水と排水を一定間隔で繰り返すことで、水使用量を削減しながら稲の生産性を維持することができる。
同省は、この技術により水資源の利用効率向上と農業生産の拡大が期待できるとしている。
また、干ばつ発生時に備え、重機など58台も配備した。
内訳は、油圧ショベル16台のほか、ダンプトラック、トレーラー、移動式ポンプ車、給水車、水ポンプ、太陽光発電式ポンプ、掘削機、地下水探査用の電気探査機器などとなっている。
これらの機材は、飲料水の供給、農地への送水、地下水の調査、井戸の掘削などに活用される予定だ。
公共事業省は、こうした取り組みを通じて、水資源インフラの一体的な管理やダム・灌漑施設の運用強化、人員・設備の事前配備を進めることで、エルニーニョによる影響を最小限に抑え、水資源の安定確保と国家の食料安全保障を支えていく方針だ。