人権侵害を懸念し、EU外交官がイスラエルとの対話停止を提案

ジャカルタ - 欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務政策担当長官は、ガザでの戦争で人権侵害の可能性があることを理由に、イスラエルとの政治対話の停止を提案したと、4人の外交官とロイターが確認した書簡で明らかになった。

月曜日のEU外相会議を前に水曜日に送られた書簡で、ボレル外務大臣は「ガザでの国際人道法違反の可能性について深刻な懸念」を挙げ、「これまでのところ、イスラエルはこうした懸念に十分に対処していない」と述べた。

この政治対話は、2000年6月に発効した、広範な貿易関係を含むEUとイスラエルの関係に関するより広範な条約に盛り込まれている。

「上記の考慮を踏まえ、EUは人権条項を発動してイスラエルとの政治対話を停止すべきだと提案する」と、ボレル外務大臣は11月14日にロイター通信に記した。

この停止にはEU加盟27カ国すべての同意が必要だが、外交官らはそれが実現する可能性は極めて低いと述べた。

匿名を条件に語った外交官3人によると、EUの高官が水曜日にブリュッセルで大使たちにこの提案について説明した際、いくつかの国が躊躇したという。

ある外交官によると、ボレル氏の提案は、イスラエルの戦争での行動に対する強い懸念のシグナルを送ることを意図したものだった。

この提案は、ボレル氏が5年の任期を終える前に率いる最後の外相会議で議論される予定だった。

これとは別に、国連人権高等弁務官事務所は先週、この戦争で確認された死者の約70%が女性と子供であり、国際人道法の基本原則の組織的違反であると非難した。

イスラエルは、この報告書を断固として拒否した。イスラエル軍は、その行動は「区別と比例性の原則に従い、民間人への被害の可能性を慎重に評価した上で行われた」と述べた。

昨年10月7日のパレスチナ武装組織ハマスによるイスラエルへの攻撃をきっかけに始まったガザ戦争について、EUは強力で統一された立場を見出そうと苦心している。同連合はハマスに対し、イスラエル人人質全員の解放と双方に国際法の尊重を求めている。

チェコ共和国やハンガリーなど一部のEU加盟国はイスラエルを強く支持している。スペインやアイルランドなど他の加盟国はパレスチナ人への支持を強調している。

ある外交官は、大使らは提案をめぐる「手続きと準備の欠如」に「驚いている」と述べた。

この動きにより、EUは「かつてないほど分裂している」と外交官は述べた。